夏だけではなく年中浴びる紫外線。
気象庁でもその日の紫外線指数を発表しているので、気にされている方もいるかもしれません。
紫外線と聞くと悪者のようなイメージがありますが、人間にとってよい影響もあるのをご存知でしょうか?
紫外線は悪者?
紫外線とは
紫外線とは、太陽から放射される太陽光線の一つです。
地球の表面に届く太陽光線のうち約6%は紫外線と言われています。
Ultra Violetとも呼ばれ、波長によってA波(UV-A)、B波(UV-B)、C波(UV-C)の3種類に分けられます。
UV-A
- 曇りの日や家の中でも人の肌まで届く
- 皮膚の弾性を失わせ老化を早める
- 地球に届く紫外線の約9割を占める
- 紫外線の中で最も波長が長い
UV-B
- 地表に届く量は少ないがUV-Aより有害とされる
- 皮膚の表面に作用してメラニンを作る
- UV-Aより波長が短い
- 皮膚が赤くなるような日焼けを起こす
UV-C
- 紫外線の中で最も波長が短い
- 殺菌力が強くUV-Bよりも有害とされる
- オゾン層で守られている地表までは届かないが、近年オゾン層破壊により危険性が高まっている
紫外線のデメリット
サンタン
日焼けの一つとして、UV-Aによりメラニン色素が皮膚に沈着することで肌が黒くなるサンタン(sun tanning)があります。
UV-Aは色素沈着だけではなく、真皮まで到達して肌に弾力を与えるコラーゲンやエラスチンを破壊します。
紫外線による老化である光老化を起こし、しわやたるみの原因となっています。
この傷ついた組織は元に戻ることはないと考えられています。
サンバーン
もう一つの日焼けは、UV-Bの影響で皮膚の表面を赤く炎症させるサンバーン(sunburn)。
メラニンを過剰に作ってシミを作ったり、そばかすを悪化させたりします。
サンバーンは日に当たってから数時間後に起こり、次第に痛みを伴うことも。
UV-Bは皮膚ガンを発生させる危険性もあります。
目へのダメージ
紫外線は、肌だけではなく目にも影響があります。
強い紫外線が目に入ると角膜が炎症を起こして赤くなり痛みが出ることも。
海水浴場やスキー場などで強い太陽光線を浴びると、角膜が傷ついてこのような角膜炎が起きることがあります。
またUV-AやUV-Bの影響で白内障になることもあると言われています。
紫外線のメリット
ビタミンDの生成
紫外線に当たると皮膚でビタミンDが生成されます。
UV-Aはカルシウムの働きに関わり、骨の健康のためには欠かせません。
もし欠乏してしまうと、骨軟化症(くる病)を発症する可能性があります。
ほとんどの人が太陽の光を浴びることで、体に必要なビタミンDの一部を得ています。
適度な日光浴をおすすめされるのはこのような理由からです。
殺菌作用
紫外線は殺菌作用が強いと言われています。
地表には届かないUV-Cですが3つの紫外線の中でも最も殺菌力が強いので、人工的に作り出して殺菌する器具などに使われています。
医療施設はもちろん、食品メーカーやホテル、高齢者施設、教育施設などでも使用されています。
最近では、毎日使うスマートフォンを殺菌できる紫外線ボックスも登場し、私たちの生活でも身近な道具として利用されています。
光線療法
光線療法は紫外線を当てて患部を治療する方法です。
UV-A、UV-Bには皮膚の細胞を増殖させたり炎症を抑えたりする作用があります。
この紫外線を利用して乾癬やアトピー性皮膚炎の治療に使われています。
紫外線対策
日焼け止めの使用
日焼け止めには、UV-Aを防ぐ性能を表すPAとUV-Bを防ぐ性能を表すSPFが表示されていますよね。
- PA・・・「+」の数で段階を表示し、数が多い方がダメージを防ぐ効果が高くなります。
- SPF・・・最大50+まであり、数が多くなるほど防ぐ効果があります。
日焼け止めに含まれる紫外線吸収剤でアレルギーを起こす場合もあるので、肌の弱い方は紫外線吸収剤が使われていないものを使用するとよいかもしれません。
紫外線の多い時期・時間帯に気を付ける
気象庁の紫外線のデータによると、紫外線は3月頃から量が多くなり5月から9月は強い期間が続きます。
春は10時頃から14時頃が紫外線の強い時間帯。夏には9時頃から15時頃まで紫外線が強くなります。
紫外線の多い時期、時間帯には日焼け止めを使用しましょう。
気象庁の紫外線のデータ集をチェックすると毎日の紫外線量をチェックできます。
紫外線を防ぐものを身に着ける
帽子、日傘、UVカットの衣服、目を守るサングラスなどを身につけるとより紫外線を防ぐことができます。
家の中にいる場合も窓から紫外線は入ってくるので、UVカットカーテンを付けることが有効です。
ほとんどの自動車の窓ガラスは紫外線対策されていますが、更に効果を高めるためにUVカット機能のあるフィルムを張るなどするとよいかもしれません。
まとめ
毎年紫外線対策商品は改良されていますので、紫外線が強いときには日焼け止めやUVカットの衣服など身に着けてなるべく防ぐようにしましょう。
日焼け止めは毎日塗ると紫外線対策となるでしょう。
紫外線にはビタミンDを生成して骨を強くしたり、殺菌効果があったりとメリットもあります。
紫外線のしくみを知ることで、メリットは活かしデメリットは効果的に防ぐことができます。