最近では銀行も多様化しており、ネット銀行の利用も普及しています。今回は身近になりつつあるネット銀行について、メリットやデメリット、大手銀行との違いなどを見ていきます。
ネット銀行を知ろう
ネット銀行とは?
ネット銀行とその他銀行について見ていきましょう。
ネット銀行
ネット銀行とは、ネットバンキングを専門で行っている銀行のことをいいます。
一般的な銀行は「実店舗」を有する事業形態ですが、ネット銀行の場合は「店舗を持たない」もしくは「限られた店舗しか持たない」スタイルで事業を行っています。つまり、ネット銀行は店舗ではなくネットバンキングで取引を行う銀行であると言えます。
普通銀行
店舗で取引を行う従来型の銀行のことを普通銀行といいます。預金を主な資金源として資金の貸付を行っています。店舗で対面取引を行う銀行、と考えて良いでしょう。
普通銀行のなかにも、大都市に本店を置き、全国各地に支店を持つ「都市銀行」と、地方都市に本店を置き、限られた地域に支店を持つ「地方銀行」と2つの種類があります。
普通銀行のネット支店
普通銀行にもネット支店と呼ばれる支店を持っている銀行があります。ネット支店では、対面取引ではなく、インターネットを介した銀行取引サービスを行っています。
このサービスは「インターネットバンキング」「ネットバンキング」「オンラインバンキング」と呼ばれてます。
ネット銀行のメリット
ネット銀行は、普通銀行と比べると店舗や独自ATMを持たない分、人件費や家賃がかからずに、経費が低く抑えられています。ネット銀行にはどのようなメリットが有るのでしょうか。
預金金利が比較的高い
普通銀行の普通預金の金利は現在限りなくゼロに近いと言えます。反面ネット銀行の預金金利は比較的高い傾向にあります。
振込手数料が安い
ネット銀行の振込手数料は、普通銀行と比べて比較的安いと言えます。
●普通銀行の振込手数料
窓口:600円~800円 ATM:200円~400円
●ネット銀行の振込手数料
無料~300円
ネット銀行では振込手数料も、条件を満たした場合無料になる、無料の回数が増えるというサービスを行っている銀行もあります。
24時間利用可能
店舗のある銀行は営業時間が限られていますが、ネット銀行の場合は24時間スマホやパソコンからインターネットを利用していつでも手続きを行うことができます。外出先や移動先でもスマホを使って取引が可能なので、忙しい方には大きなメリットではないでしょうか。
ネット銀行、普通銀行のオンラインバンキングともにシステムメンテナンスを行っている場合があります。システムメンテナンス中は取引を行うことはできないので注意しましょう。
残高照会がスムーズ
預貯金口座では、取引の際または定期的に記帳をしなければなりません。しかしネット銀行の場合は通帳がなく、残高照会や取引履歴をネット上で確認することができます。
預金保護の対象
ネット銀行も、普通銀行と同じく国から許可を受けた銀行です。そのため、ネット銀行も預金保険機構に加入しており、預金保護(ペイオフ)の対象です。破綻した場合でも、元本1,000万円までの円預金と破綻美までの利息などは保護されます。
ネット銀行のデメリット
メリットの多いネット銀行ですが、デメリットももちろんあります。
サイバー犯罪のリスク
ネット銀行はインターネットを利用して取引をおこなうため、サイバー犯罪に巻き込まれる可能性があります。例えば、スパイウェアを仕込まれたり、フィッシングサイトに誘導されたりなどが挙げられます。
対策としては、
■ワンタイムパスワードを使う
■セキュリティソフトを導入する
■IDやパスワードをブラウザに保存しない
などを行いましょう。万が一不正送金の被害にあった場合でも、ネット銀行側に過失がない場合でも、預金者に過失がなければ全額補償されます。これは2008年に全国銀行協会から申し合わせが発表されています。
システムメンテナンス中は利用できない
さきほども少し触れましたが、24時間いつでも利用できるネット銀行の場合でも、システムメンテナンス中はサービスを利用することができません。システムメンテナンスは深夜帯に行われることが多いです。
引落し口座に指定できない場合がある
ネット銀行口座は、公共料金・税金の引き落とし口座に指定できないケースがあります。その場合は、コンビニ払いやクレジットカード払いなど、口座引落以外の方法を利用しなければなりません。
ID・パスワードを覚えておく必要がある
ネット銀行にログインする際には、IDとパスワードを設定して利用します。IDとパスワードを覚えておかないと、ログインができません。セキュリティ上、パスワードを複数回間違えるとアカウントはロックされてしまいます。アカウントがロックされた場合は、カスタマサポートに連絡を入れて、アカウントを復旧する必要が出てきます。
実店舗・通帳はなし
ネット銀行は一般的に実店舗はありません。
自社ATMも持っていないため、実際にATMでお金の出し入れをする場合はコンビニや提携ATMを利用することになります。通常、提携ATMの利用には手数料がかかりますが、ネット銀行により手数料が無料になるサービスを実施しているところもあります。
また、ネット銀行では通帳は存在しません。
通帳の代わりに、インターネットを利用してWEBサイトで口座情報にアクセスすると取引状況を確認することができます。スマホアプリでも取引履歴をチェックすることができます。通帳はありませんが、パソコンで取引履歴を管理することが可能です。
ネット銀行をメインバンクにするのにおすすめの人
ネット銀行はメインバンクに向いているのでしょうか。
こんな方におすすめ
- 低コスト・高い預金金利を重視する人
- ネット証券を利用する人
低コスト・高い預金金利を重視する人
ネット銀行の大きなメリットは、高い預金金利と低コストということです。普通銀行での口座管理維持費を避けたい人にはネット銀行はおすすめと言えるでしょう。
ネット証券を利用する人
ネット証券を利用する、または今後ネット証券を使った投資を考えている人にネット銀行はおすすめです。自動資金振替サービスや、優遇金利など、提携ネット銀行との口座連携サービスがお得となっています。ネット銀行のメリットが自分のライフスタイルに沿うものであれば、ネット銀行をメインバンクとして考えることも一つの手です。
まとめ
ネット銀行について、メリット・デメリットも交えて解説しました。
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ネット銀行は低コスト
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セキュリティ面は自衛する必要がある
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ネット銀行口座から直接引落ができないデメリットは、クレジットカードの利用でカバー
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ネット銀行は24時間利用可能
ネット銀行を利用する際には、デメリット以上のメリットを感じるのか、自分が求めているものと一致するのかを考えてみるとよいでしょう。