近年、超低金利時代が長く続いている日本では、「普通預金=利息がほとんどつかない」と考える人が多いでしょう。たしかに、メガバンクや地方銀行の普通預金金利は、現在でも年0.001%程度と極めて低水準。しかし、そんな常識をくつがえすような「高金利の普通預金口座」を提供している銀行が、日本を中心に少しずつ増えてきています。この記事では、日本で利用できる高金利の普通預金口座を提供する銀行と、その仕組みや注意点について詳しく解説していきます。
なぜ普通預金で高金利が可能なのか?
まず、多くの人が疑問に思うのが「なぜ普通預金でそんなに高い金利を出せるのか?」という点です。これにはいくつかの理由があります。
ネット銀行や新興銀行は、実店舗を持たないことで運営コストを大きく削減しています。その分、顧客への金利という形で還元することが可能になります。特に競争が激しいネット銀行では、高金利を前面に打ち出すことで新規顧客を獲得しようとする動きが見られます。
また、資金を集めたいという目的から、高金利キャンペーンを展開する銀行もあります。これは、一定期間に新規口座を開設したり、給与振込やクレジットカードの利用など、特定の条件を満たすことで高金利が適用されるというものです。
日本で注目の「高金利普通預金」銀行
あおぞら銀行 BANK支店:あおぞら銀行のインターネット支店「BANK支店」は、普通預金口座で年0.20%(税引前)という驚異の金利を提供しています(※2025年4月時点)。この金利は、定期預金の水準すら超える高利率であり、普通預金で資金を拘束されずにこれだけの利息がつくのは画期的です。しかも、キャンペーンではなく通常金利として設定されているため、長期的な資産運用の選択肢としても魅力的です。
東京スター銀行「スターワン円普通預金」:東京スター銀行では、「スターワンプログラム」を通じて、条件を満たせば最大年0.10%(税引前)の普通預金金利を受けることができます。たとえば、給与振込を指定する、住宅ローンを利用するなど、日常の銀行取引と連携することで金利が上がる仕組みとなっています。
UI銀行(旧PayPay銀行):旧PayPay銀行からリブランドされた「UI銀行」は、ネット銀行ならではの柔軟なサービスが魅力。通常の普通預金金利は0.001%ですが、スマホ決済やクレジットカード、外貨預金などのサービスを併用することで、最大年0.15%まで金利が上がる可能性があります。
高金利の裏に潜む注意点とは?
一見お得に見える高金利の普通預金ですが、いくつか注意点も存在します。たとえば、高金利を得るためには細かな条件が設定されていることが多く、給与振込の指定やアプリの登録、カード引き落としの設定などが必要な場合もあります。条件を満たしていないと通常の低金利に戻るため、事前確認は欠かせません。
また、表示されている金利は多くの場合「税引前」です。実際に受け取れる利息は20.315%の税金が差し引かれるため、100万円を年0.20%で運用した場合、実際に得られる利息は約1,596円程度になります。
さらに、普通預金の金利は市場金利に応じて変動する性質があるため、現在は高金利でも将来的に利率が下がる可能性も考慮する必要があります。
高金利の普通預金を活用するポイント
高金利の普通預金を賢く活用するためには、いくつかの工夫が求められます。生活資金やすぐに使う予定のあるお金は、定期預金ではなく高金利の普通預金に預けることで、流動性を保ちながら利息を得ることができます。
また、定期預金や他の資産運用商品と併用し、目的別に資金を振り分けるのも有効です。さらに、金利が上がる条件を確認して、可能な限りその条件をクリアすることで、より多くの利息を得ることができるでしょう。
最近では、複数の銀行口座を一括で管理できるスマホアプリなども登場しており、サブ口座として高金利の普通預金を持つというのも一つの戦略です。
まとめ
「普通預金に利息はほとんどつかない」という常識は、もはや過去のものになりつつあります。日本を中心に、ネット銀行や新興銀行が提供する高金利の普通預金口座は、うまく活用すれば預金額に対して確かなリターンをもたらしてくれる存在です。もちろん、金利だけでなく「使いやすさ」や「サービス内容」も重要な判断基準。とはいえ、少しの工夫で同じ100万円でも数倍の利息が得られるなら、試してみる価値は十分あるでしょう。
今こそ、「眠っているお金」をもっと活かすために、銀行選びを見直してみてはいかがでしょうか?
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